ただのメモ:三上 (1953=1972: 219-221)

[asin:487424114X:detail] コムリーせんせのこれ↓に関連して また,過去時制を使うことで状況は過去に位置づけられるだけであって,その状況が現在ひいては未来まで継続するのかどうかについてはなにも述べられない点にも注意しておこう.ただ,現在時ひいて…

一種の因果関係を表す mean の語義

ちょっとした誤訳を例に,たまには語学的なことを書いてみます.

補足:一度も実際に起きていなくても現在時制をいわゆる「習慣」的に解釈できる

今日訳した範囲で,コムリー先生は現在時制の「習慣」解釈について, これまで実際に生起した出来事のインスタンスをもとに 一般化がなりたつという帰納がなされている と述べています. しかし,一度もその出来事が実際に生起したことがなくてもかまわない…

補足:現在時制と遂行節について

またラネカーせんせいですが:

クリッチリー批判がたいへんに勉強になる(語学的に)

サイモン・クリッチリーが『ニューヨーク・タイムズ』の The Stone という批評ブログ(?)のモデレータになったことについて,Brian Leiter が痛烈にこきおろしています(かねてからクリッチリーが批判されていることは,こちらで教わりました):

before節の完了相について (Swan 2005: 84)

コムリー『時制』のこの箇所に関連して,マイケル・スワンの Practical English Usage (3rd edition) より抜粋:

補足:過去完了の時間指示について

【追記】:wimble/wirnbleさんからのコメントで,当該の図で意図されていることについてご説明いただきました. コムリーの翻訳エントリで,"he had already left again before Jane arrived" の時間順序を見やすくするため,次の図を付け足しました:

お答えします

「optical_frog 友達」で検索なさった方へ: いません.

クルーズてんてー新刊予定

ふっと気になって検索してみたら――Meaning in Language: An Introduction to Semantics and Pragmatics (Oxford Textbooks in Linguistics)作者: Alan Cruse出版社/メーカー: Oxford University Press, Usa発売日: 2011/01/22メディア: ペーパーバック購入: …

引用:プラム「エスキモー語彙の大ウソ」より

根拠のない説を信じ込み,増幅していったこの事件には,うんざりするような特徴が多々ある.その一つが,たとえば仮に一部の北極圏言語に雪を表す語根が多数あったとしても,そのこと自体は知的関心をもつに値しないという事実である.そんなことはありふれ…

補足:クルーグマンコラム(前半のみ)

昨日のエントリで参照されていたコラム "Senator Bunning’s Universe" の関連部分だけを追加で訳しました: さて,バニング議員もやっと阻止をやめたようだ*1.この数日,ケンタッキーのジム・バニング上院議員は上院の規則を利用して失業手当給付の1ヶ月延…

メモ:完了形の命令文

完了命令文:この形式はさらに〈まれ〉である. (7) a. Have done with it! (そんなことやめちゃえ) b. Start the book and have finished before you go to bed. (Quirk et al. 1985) (本を読みはじめて,寝る前に読み終えなさい) (安藤貞雄『英語文法…

メモ:市井三郎『哲学的分析』(1963)

前からのぞいておこうと思っていたのをやっと手に取りました. 市井三郎,『哲学的分析』,岩波書店,1963(昭和38年).

小ネタ:「どうして今日は〜」

語用論入門の小ネタです.いまの翻訳で思い出したので書いてみました. 「どうして今日はドレスを着てるんですか?」

パーマー教授記念論文集

モダリティ研究の論文集 Studies on English Modality: In Honour of Frank Palmer がいつのまにか出てました: Studies on English Modality: In Honour of Frank Palmer (Linguistic Insights. Studies in Language and Communication)作者: Frank Palmer…

von Fintel & Gillies (2010) "Must ... Stay ... Strong!" 最終原稿

Kai von Fintel のブログで,von Fintel & Gillies (2010) "Must ... Stay ... Strong!" の最終原稿が公開されてます: Update: Must … Stay … Strong! この論文のもとになった研究発表については,2年ほどまえにここでとりあげました: 「must p は p より…

アセモグルせんせいにきく:近代の経済成長 (3/3)

アセモグルのインタビュー,今回でおわりです.PDF を例によってアップロードしておきます:こちら Romesh: ダロン,この25年間で経済成長の理解がどれほど進んだのか,おおまかに言ってくれますか.つまり,70年代には,経済成長についてはあまり研究がなさ…

アセモグルせんせいにきく:近代の経済成長 (2/3)

昨日の続きです. Romesh: 現代の経済成長をみると,第二次世界大戦いらい長きにわたって途上国を成長させようと努力を重ねながら,大方は不首尾に終わっていますよね.つまり,せいぜい日本と,少しあとになって韓国や香港あたりがつづいたくらいで,ほんの…

アセモグルせんせいにきく:近代の経済成長 (1/3)

【追記:この訳文の PDF をアップロードしました:tr_Acemoglu_2009_INTERVIEW_modern-economic-growth.pdf 】 ダロン・アセモグルの下記インタビューを訳して紹介します: Daron Acemoglu, "Modern economic growth." Interviewed by Romesh Vaitilingam, 2…

アセモグル「国を豊かにするのはなにか?」(2/2)

【訳文を追加しました】 【PDF をアップロードしました】 昨日のつづきです: 制度がそれほどまでに国々の貧富にとって重要だと,どうしてわかる? まずはノガレスに目を向けてみよう.ノガレスはメキシコ-アメリカ国境のフェンスで二分されている都市だ.ど…

アセモグル「国を豊かにするのはなにか?」(1/2)

【PDF をアップロードしました】 『エスクァイア』誌にダロン・アセモグルが寄稿した文章を訳してみます.3回に分けてゆっくりやります 2回でおわってしまいました.正直,内容はいまいちな感じですが,関心がおありならどうぞ. 国を豊かにするのはなにか?…

いただいた匿名コメントにお返事

ご配慮とはげまし,ありがとうございます.今後ともおごらないようにつとめていこうと思います.

メモ:大津「粉砕」論文

大津由紀雄「『英語帝国主義』はメタ言語能力によって粉砕できる」『現代英語教育』1995年3月号,pp.20-23,研究社. 大津由紀雄「『英語帝国主義』はメタ言語能力によって粉砕できる補論」『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』第31号 (1999) pp.169-175. KA…

インタゲ陰謀団,怪文書製造中

追記:できました! night_in_tunisia さん最高です イングランド銀行発行 解説!量的緩和 日本語版 プレビュー - 徒然なる数学の日々 「解説! 量的緩和」(PDF) イングランド銀行がインフレターゲット政策について一般向けにわかりやすく解説したパンフレッ…

xkcd: レゴ

http://xkcd.com/659/ ぱぱ:レゴの家をバラしてパーツをごっちゃにして箱に放り込んだら,もとの家はどこにいくかな? むすめ:箱のなか. ぱぱ:ちがうよ.パーツはただのパーツなんだ.宇宙船になったり電車になったりできるだろ.家もそんな組み合わせな…

つくづく思うのですが

「生成文法をやってます」といえば「ああ,統語論をやってるんですね」となり, 「統語論をやってます」といえば「ああ,生成文法をやってるんですね」となるように, 「生成文法=統語論」とイコールでむすばれていることが多いですね.でも,生成文法はま…

とりあえずメモ:「デフレ:問題の概観」(スウェーデン国立銀行)

追記:リフレ政策ポータルwiki に訳文を掲載しています:「デフレ:問題の概観」――この訳文は,hicksianさん,night_in_tunisiaさん,tmpsoulcageさんの手で最初のドラフトがつくられました. via Hicksianさん@twitter "Deflation - an outline of the prob…

「デフレ:問題の概観」ファーストドラフトできました!

下のエントリにも追記しておきましたが,スウェーデン国立銀行のレポートの翻訳がひととおりできあがりました.ぜひご一読いただきたく. デフレ:問題の概観 - リフレ政策ポータルwiki 一晩またずにやってくださったジェバンニなみなさんの名前をあげておき…

ずぶずぶずぶずぶ…

先日訳したクルーグマンのコラムから: 大恐慌からえられた教訓を1つ挙げると,「馬鹿な考えの破壊力をけっしてあまくみてはならん」というのがある.で,大恐慌を引き起こす一助になった馬鹿な考えのなかには,なんと,しぶとく長らえているやつもある.そ…

虫干し:ラネカー翻訳の断片を少々

フォルダを整理していたら断片的な訳文がでてきたので,こっちに転載しておきます:まず,Foundations of Cognitive Grammar, vol.2 から: