補足:現在時制と遂行節について
またラネカーせんせいですが:
遂行用法では,完結動詞はいっそう現在時制でのすわりがよくなる.デフォルトの viewing arrangement で生じる問題は,〔その動詞で〕名指される行為を話し手が実際に遂行するときにはでてこない.ここには,時間的持続の問題はない.それどころか,プロファイルされた出来事と発語の出来事は必ず長さが同じになる.というのも―― figure 5.12 で示しているように――遂行節は文でプロファイルされる出来事が発語の出来事そのものとなる特殊例を代表するものだからだ.また,話し手の知識の問題もでてこない.話し手は〔遂行動詞で〕記述された行為を遂行するのであり,しかもそれは必ず意図的なので,その行為を同定するのに,行為が生起するのを観察するにはおよばない.話し手はたんに彼が遂行しようと意図する行為を遂行するだけだ.そして,彼はそれを述べることによって遂行するのだから,その行為は発話の時間にぴったり重なる.
(Langacker, Cognitive Grammar, Oxford University Press, 2008, p.159)
べつに,コムリーせんせいと格別にちがうことを言っているわけではないんですよね.
Cognitive Grammar: A Basic Introduction
- 作者: Ronald W. Langacker
- 出版社/メーカー: Oxford University Press
- 発売日: 2008/02/04
- メディア: ペーパーバック
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (21件) を見る