メモ

Yalcin & Knobe (2010 squib)「『ファット・トニーは死んだかもしれない』:認識的法助動詞に関する実験の覚え書き」

ある「立ち聞き」場面設定において認識様相の言明と様相なしの定言的断定が真だと判断するか偽だと判断するかを調査しました,という squib: Seth Yalcin and Joshua Knobe "Fat Tony Might Be Dead: An Experimental Note on Epistemic Modals" (PDF; Dece…

Gregory Hickok「発話産出の計算神経解剖学」

twitter で shokou5さんと killhiguchiさんの話を立ち聞きして「なんかすごいらしい」とメモる: Gregory Hickok, "Computational neuroanatomy of speech production," Nature Reviews Neuroscience 13, 135-145 アブストラクト Speech production has been…

アビジット・バナジー&エスター・デュフロ「なぜ子どもたちは学ばないのか」

『貧乏人の経済学』の著者アビジット・バナジーとエスター・デュフロが執筆した "Why Children Aren't Learning" (April 2011, PDF) を「さりはま」さんが訳してらっしゃる: 「なぜ子どもたちは学ばないのか」(訳完了)デュフロとバナジーによるレポート・J…

フランク・パーマー Mood and Modality(第2版)にいちおう翻訳があるらしい

Frank Palmer, Mood and Modality(叙法と様相)は様相(モダリティ)研究の基本文献でして,誰か訳せばいいのにと思っていたのですが,下記の翻訳があるそうです(via killhiguchiさん):

TechCrunch の Surface 記事の冒頭(メモなので読む意義ないです)

TechCrunch の記事「Microsoft Surfaceにさわってみた, 独特のこだわりで超力作になってる」が,パッと読んで妙な訳文だったので,冒頭だけチェックしてみました.

メモ:マーティン『日本語文法』から「V-garu」形式の解説を抜粋

ここはおいらのチラ裏. S. E. Martin, A Reference Grammar of Japanese, Yale University Press, 1975, pp. 358-9.

クルーグマン「フロリダ vs. スペイン」

「道草」の方がいまいち安定していないので,こちらに: Paul Krugman, "Florida Versus Spain," NYT blog, June 2, 2012, 9:27 AM

エヴェレットに関するピンカーの批判

ピラハ語に関して「チョムスキーの言語学を否定する発見をした」とされるエヴェレットの研究について,ピンカーが否定的なコメントを書いています(くろきさんのtwitter経由): "Re: "RECURSION AND HUMAN THOUGHT: WHY THE PIRAHÃ DON'T HAVE NUMBERS" A T…

メモ:マクファーレン未公刊論文 (2008) 「認識的法助動詞は評価感応的である」

ずいぶん前にチェックしていたのを再チェック: John McFarlane, "Epistemic modals are assessment-sensitive" (http://johnmacfarlane.net/epistmod.pdf)

ジャッケンドフ+ピンカー vs. チョムスキー+ハウザー+フィッチ論争:Language Log でのまとめ

ジャッケンドフせんせいの『思考と意味のユーザーズガイド』訳読からのながれで再訪.もうずいぶん昔のことですが,『サイエンス』誌に掲載されたハウザー+チョムスキー+フィッチの「言語機能」論文に端を発する,ジャッケンドフ+ピンカーとの論争があり…

oh... : 投野由紀夫「アジア各国と日本の英語教科書比較」

投野由紀夫「アジア各国と日本の英語教科書比較」 教育再生懇談会会議資料 (2008年5月16日(金) 都市センターホテル) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku_kondan/kaisai/dai3/2seku/2s-siryou3.pdf スライドの「まとめ」から: 1. 日本の英語教科…

パーマーは認識様相も基本的に「主観的」および「遂行的」だと述べている

パーマーせんせいは義務(束縛)様相を原則的に指令型言語行為をともなうもの(したがって用語の本来のイミで遂行的)だと定義していました.これと並行して,認識様相も,彼は主観的かつ遂行的だと述べています.てっとりばやくわかる箇所を引用しておきま…

Palmer のいう義務様相は「指令的」だと定義されていた(が,後に微妙に変更された)

言語学におけるモダリティ研究ではずせない文献といえばフランク・パーマーせんせいの一連の著述なのですが,彼のいう deontic modality(義務様相,束縛様相)の扱いには注意が必要です.たとえば,must が表す「〜せねばならない」は,義務様相の必然性と…

must には「必ずこうなる」という不可避性の意味・用法がある(そして認識用法とは異なる)

ともすれば法助動詞の must には「〜しないといけない」(義務・必要)と「〜にちがいない」(認識的必然性)の2つくらいしか意味がないと言われがちですが,これらからはっきり区別されるべき「不可避性」(inevitability) の意味もあります.たとえば,こん…

用例メモ:"I can have done"

ふるいノートに書きとめてあったので*1: If when I make my mind up I decide to raise my hand rather than lower it, this is not something I can have done on the basis of some earlier decision to arrive at that particular decision rather than …

「more than one+単数名詞は単数で呼応する」

よく覚えておきなさい→じぶんmore than one X ということは,直訳すれば「1つ以上」であり,いわんとする要点は「複数のX」ですので,動詞・助動詞とは複数で一致しそうなものですが,どうもそうではないのですね: 「more than one + 単数名詞」:単数動詞…

抜粋:Wierzbicka (1991):認識的 must vs. will の相違

「ヴェジビツカ」だったり「ヴィエルジュビツカ」だったりする Wierzbicka せんせいの20年前の本から認識様相と発語内効力に関する箇所を抜き書き: ■文献: Anna Wierzbicka, Cross-cultural pragmatics: the semantics of human interaction. Berlin/New Y…

Larkin (1976) より関係節の will について

ほんらい意図していたこのブログの使い方をさっき電車の中で思い出したので. Larkin, Don (1976). "Some notes on English modals," in J. D. McCawley (ed.) Syntax and Semantics, vol. 7: Note from the Linguistic Underground, Academic Press, New Yo…

ドナルド・ノーマン「グーグルのいわゆる「単純さ」の実態」

http://optical-frog.tumblr.com/post/9868572005(via 「ドン・ノーマン博士、Googleを批判」)

メモ:マイケル・トマセロ『我々が協調する理由は』(Why We Cooperate)

メモですよメモ.なぜか序文も訳してありますけど,メモですよ. Why We Cooperate (Boston Review Books)作者: Michael Tomasello,Carol Dweck,Joan Silk,Brian Skyrms,Elizabeth S. Spelke,Deborah Chasman出版社/メーカー: The MIT Press発売日: 2009/08/…

Cann, Kempson, and Gregolomichelaki (2009) より「出来事タイプ」

割と新しい意味論テキストから,状況アスペクトの箇所をノート程度に抜粋.要点は,ヴェンドラーの古典的な分類を出来事の局面構造でもっと単純にしてやるところです――が,前提知識なしにこれだけ読んでもしょうがないので,マニアだけお読みいただけばいい…

書き換えればいいってもんじゃない:構成的規則と規制的規則のメモ

サールの提案している「構成的規則」と「規制的規則(統制的規則)」の区別について,大澤真幸は次のように指摘しています:

ただのメモ:Palmer (1987: 43-44)

evernote に写経しておくだけでもよさそうなものですが:

ただのメモ:三上 (1953=1972: 219-221)

[asin:487424114X:detail] コムリーせんせのこれ↓に関連して また,過去時制を使うことで状況は過去に位置づけられるだけであって,その状況が現在ひいては未来まで継続するのかどうかについてはなにも述べられない点にも注意しておこう.ただ,現在時ひいて…

補足:一度も実際に起きていなくても現在時制をいわゆる「習慣」的に解釈できる

今日訳した範囲で,コムリー先生は現在時制の「習慣」解釈について, これまで実際に生起した出来事のインスタンスをもとに 一般化がなりたつという帰納がなされている と述べています. しかし,一度もその出来事が実際に生起したことがなくてもかまわない…

補足:現在時制と遂行節について

またラネカーせんせいですが:

before節の完了相について (Swan 2005: 84)

コムリー『時制』のこの箇所に関連して,マイケル・スワンの Practical English Usage (3rd edition) より抜粋:

引用:プラム「エスキモー語彙の大ウソ」より

根拠のない説を信じ込み,増幅していったこの事件には,うんざりするような特徴が多々ある.その一つが,たとえば仮に一部の北極圏言語に雪を表す語根が多数あったとしても,そのこと自体は知的関心をもつに値しないという事実である.そんなことはありふれ…

補足:クルーグマンコラム(前半のみ)

昨日のエントリで参照されていたコラム "Senator Bunning’s Universe" の関連部分だけを追加で訳しました: さて,バニング議員もやっと阻止をやめたようだ*1.この数日,ケンタッキーのジム・バニング上院議員は上院の規則を利用して失業手当給付の1ヶ月延…

パーマー教授記念論文集

モダリティ研究の論文集 Studies on English Modality: In Honour of Frank Palmer がいつのまにか出てました: Studies on English Modality: In Honour of Frank Palmer (Linguistic Insights. Studies in Language and Communication)作者: Frank Palmer…