〜まで/へ
from X to Y という英語の表現は「XからYまで」とも「XからYへ」とも訳されますよね.なんとなく訳し分けてはいるのですが,たとえばもし中学生に「どうちがうの?」と聞かれたら,前者は範囲を表し後者は方向を表すんだ,というように説明するところです.
たとえば,空間の範囲を表す場合に「〜から〜へ」はおかしな表現になってしまいますし:
棚の商品を指しながら:
- 「ここからここまでください」
- *「ここからここへください」
- 「ここからここまで赤く塗ってください」
- *「ここからここへ赤く塗ってください」
また,時間の範囲を表す場合にも同様です:
- 「3時から5時まで空いています」
- *「3時から5時へ空いています」
- 「明日から4日まで旅行に行きます」
- *「明日から4日へ旅行に行きます」
でも,「〜まで」は方向も表せますよね:
「どこ行くの?」−「ちょっと駅前まで」/「ちょっと駅前へ」
この例文では「駅前まで」も「駅前へ」も,ともに移動の GOAL を表しています.
うまく言えませんが,「〜まで」は一種の「限界」を表していて,その限界が動的なプロセスの終点=限界になる場合と静的な範囲の限界になる場合があるようです.
ここで英語にもどりますと,「〜まで」とも訳せる from X to Y の to Y は場合によっては限界として解釈されているということですね.