多重継承階層(Syntactic Theoryより抄訳)
I. A. Sag, T. Wasow & E. M. Bender, Syntactic Theory (2nd edition) より,「多重継承階層」(multiple inheritance hierarchy) のセクションを抄訳しました:
Syntactic Theory: A Formal Introduction (Csli Lecture Notes, No. 152)
- 作者: Ivan A. Sag,Thomas Wasow,Emily M. Bender
- 出版社/メーカー: Stanford Univ Center for the Study
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: ペーパーバック
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いえ,ここだけ読んでもしかたないといえばそうなのですが.
若干の補足
- 語彙素 (lexeme) : take, took, taken は同じ1つの語彙素.
- 単語 : take, took, taken は3つの単語;同じ語彙素の3つの異なる形式.
- synsem : 統語情報と意味情報の複合.
第16章の構成
このセクションを含む第16章は「記号基盤構文文法」(sign-based construction grammar) と題されており,形式と意味のペアリングとしての構文(構成体)の文法を定式化しています.ここでいう「記号」はラネカー認知文法の Symbolic Thesis でいう「記号」と類比できる(はず)と思います.もっとも,ラネカーの方では HPSG を参照していないようですが….認知言語学で「構文」を強調するときには,このあたりがネグレクトされてるような気がします.どなたか,ぼくにもわかるくらい平易に解説していただけるとうれしいなー,なんて思いますです.
- 16.1 Taking Stock
- 16.2 Multiple Inheritance Hierarchies
- 16.3 Words and Phrases as Signs
- 16.4 Constructions
- 16.5 Phrasal Constructions of Our Grammar
- 16.6 Locality
- 16.7 Summary