思い込み・類推:again と said の発音
again の発音について,「アゲン」(əˈgen) が正しく「アゲイン」(əˈgeɪn) は間違いだ,と教わることがあるみたいです.
じっさいにはどうでしょうか.
ロングマン英語発音辞典を参照してみると,古い情報ですが 1988年の調査でイギリス英語の話者では əˈgen を使う人は 80%,əˈgeɪn を使う人は 20% ,また,アメリカ英語では 97% 対 3% となっています.つまり,前者の方が優勢なのは確かですが,しかし二重母音の「アゲイン」が間違いだというわけではないことがわかります.
とはいえ,無用な混乱を避けるため,とくに中高生には単純化して教えることもあるでしょうし,日本の英語教育ではアメリカ英語をベースにしているため,again = əˈgen として教えることもあるのでしょう.
一方,said については「セド」(sed) が正しく,「セイド」(seɪd) と発音しないよう注意が促されています.
ai の綴りが共通しているため,学習者としては again から said の発音を類推して「seɪd もアリだろう」と考えたり,said から類推して「again を əˈgeɪn とは発音しないだろう」と考えたくなりそうですが,それには限度があるわけです.
LONGMAN PRONUNCIATION DIC(PAPER)~MARUZE^ (Other Dictionaries)
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