ライオンズ再読


PDFにまとめるついでにライオンズ「直示と主観性=主体性」をざっと再読したのですが,興味深い論点があるのはたしかにせよ,「それはどうなんですか」と言いたくなる部分もちらほらあります:

  • ジュリア・クリステヴァ言語学者だなんて,悪い冗談でしょう.
  • この文献にかぎらず,「主体性」というときまってバンヴェニストが引用されますが,具体的に何がどう言語分析に貢献するのかよくわかりません.そもそも「言語においてはじめて主体が確立される」というのはどんな意味なのでしょうか.*1
  • 冒頭から数頁にわたる subjectivity の語義の話は必要なんでしょうか.
  • 明確に問題設定とかしないんでしょうか.ここまで付き合ってみても,結局のところ議論の焦点がよくわかりません.
  • この文献を引用している議論は,具体的になにが重要だと考えて引用しているんでしょうか.(定義?)
  • 序盤の定義論にもかかわらず,subjectivity というキーワードにいろんなものを詰め込もうとして,実は定義が何度かズレているんじゃないでしょうか.

*1:あれも「有名なことで有名な」部類なのでは,というと言い過ぎでしょうか?