Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-46] 〜 [7-50]


SFAA翻訳をお手伝い:

[7-46]
社会の多数派がある社会的意志決定に合意したときにも,それに賛同しない少数派に保護が与えられることもある.たとえば合衆国の政治体制において,連邦政府および州政府の憲法は,支持者がどれほどの多数派を形成していようと選挙で選ばれた議員によって変更され得ない市民の権利を確立している.こうした憲法の変更には,通常,たんなる過半数ではなくてすべての有権者の3分の2または4分の3という圧倒的大多数が必要とされる.

[7-47]
政治的少数派がとる方略のひとつに,利害関心の一部を同じくする他の小集団たちと一時的にであれ力を結集する,というものがある.少数派集団の連合は,ときに多大な影響力をもちうる場合がある.さらには,共通の利害関心が相違点に優先するかぎりにおいて,少数派の連合が多数派となることすらありうる.

[7-48]
これと同様の政治的権利の保護は, 連邦議会と大半の州政府における二院制によっても与えられている.たとえば議会において下院は人口の比率に応じた代表をもっているため,我が国のすべての市民が同等に代表されている.他方で上院ではそれぞれの州から人口に関係なくちょうど2人ずつ議員が選ばれており,したがってどれほど小さい州の市民でも他のどんな大きな州の市民とも同等の代表をもっている.

[7-49]
これに加えて,さまざまな社会で,軋轢を周知する非公式の方法がたくさん発達している.たとえば討論,ストライキ,デモ,世論調査,広告がそれであり,さらには演劇,歌,マンガもそうだ.不満のある小集団には,マスメディアによって,非常にみえやすいかたちで公式声明をだす自由な手段が与えられている.こういった手段・方法は,対立をやわらげ妥協をひきだすこともあれば,逆に火をつけて相違を二極化してしまうこともある.軋轢の解決や緩和に失敗すると,社会システムに多大な圧迫が加えられる.変化する能力がなかったりその意思がないために,いっそう高い水準の軋轢がもたらされるかもしれない:訴訟,サボタージュ,暴力,全面的な革命,さらには戦争といった段階へとすすんでしまうかもしれないのだ.

[7-50]
集団どうしの軋轢や訴訟などがもちあがったとき,社会の一部がみずからの好む意志決定の実現にこぎつけたからといって,必ずしもそうした軋轢がおさまるとはかぎらない.その場合,抵抗集団はその変化を逆転させたり修正したり阻害するような措置にでるかもしれず,そのときには軋轢は続行することとなる.しかしながら,軋轢は集団の行動を堅固にすることもある.国であれ家族であれ,危機に際してはいっそう結束を固くする傾向がある.これにより,自集団内部での緊張は緩和され,互いの助け合いが強くなる.


対応する原文はこちらです.


 これで,第7章の残るセクションは1つとなりました


こちらも自分が担当するつもりです


追記残りも訳しました