文献メモ:金子 (2008):法助動詞は根源・認識いずれの解釈でも繰り上げ述語


部屋をがさごそかき回してたら,前にコメント欄で話題にした文献のひとつが発掘されたのでとりいそぎメモしておきます:

金子義明,「法助動詞を伴う文における無冠詞複数主語の解釈について」『言語研究の現在』,開拓社,2008年,pp. 259-268


言語研究の現在―形式と意味のインターフェース

言語研究の現在―形式と意味のインターフェース

1. はじめに


本稿では,無冠詞複数形 (bare plural) 名詞句を主語とし,法助動詞を含む文(以下,法助動詞文)において,ステージレベル (stage-level) 述語と固体レベル (individual-level) 述語に関して観察される解釈をどのようにして説明するかと考察する.

6. 結び


本稿では,すべての法助動詞を繰り上げ述語と分析し,本節で提案した法助動詞を含む文の LF構造を提案した.それによって,無冠詞複数形主語に関して Diesing が指摘したすべての解釈の可能性を,正しく予測することができることを示した.