「人的資本政策と所得分配」翻訳:part 4 の最初だけ


著者の公認がなければ中止と決まっている翻訳プロジェクトですが,とりあえず:

本レポートの前パートでは,賃金分配について考えるために競争的な労働市場にもとづく標準的なフレームワークの概要を示した.現実の労働市場には,多くの非競争的な要素が多くある.不完全情報やレント・シェアリングといった要素だ.こういった要素の存在により,賃金の決定方法がしばしば影響されており,それにともなってスキルの相対的な供給・スキルの格差・テクノロジーが賃金分配を決定する方法もこれに影響を受ける.本レポートのこのパートでは,3つの重要な要件を論じる:

  1. 不完全情報のため,教育はシグナルとしてはたらくことがある.ここでは,教育のシグナリング機能とならんで,受けた教育水準の選別により賃金分配がいかに影響されるかを論じる.
  2. 組合はしばしば労働者の側に立って交渉する.組合離れやその他の要因によって組合の交渉力が低下したことにより,賃金が低下し,異なるタイプの労働者の間での賃金の分配のされ方が影響を受けた可能性がある.
  3. 職業の構成,とりわけ高品質 vs. 低品質(いい職業 vs. わるい職業)の割合が変化し,これによって所得分布が大きく影響されたという認識が強まっている.

このパートでは,こういった話題に関連する先行研究を検討する.結論としては,こうした要因はたしかに重要ではあるものの,前パートでえられた基本的結論を変えることはなく,したがってそこで力説しておいたものと同様の政策が必要だということは揺らがない.


こんな感じで,1パラグラフだけ訳すというのでもOKだと思います > 参加をためらっておられる方々