恐怖ゾンビーアニマル! 「うあー俺の精神をあやつるのは誰だー」


 アレな映画っぽいタイトルをつけてみました.


 TED Blog のエントリ "Remember Dan Dennett's ant? Even more zombie animals" 経由でみた寄生生物のスライドがちょっと楽しかったです:

Galleries / Zombie Animals and the Parasites that Control Them - Discover Magazine


1枚目のスライドについている説明文:

SFみたいな話に聞こえるかもしれないが,寄生生物の多くは宿主の精神を支配してしまえる.対象となるのはイモムシ,ゴキブリ,カニなどで,さらにはひょっとすると我々も含まれるかもしれない.多くの場合,そうした寄生生物がどうやって精神をのっとっているのか,科学者にもわかっていない.


このクモ(Plesiometa argyra)はまん丸の巣を編み上げるエキスパートだ.ところが,寄生蜂は一刺しでその精神をのっとってしまう.


このハチはある筋書きにそってクモの体内に幼虫を産みつける──巣をはるかわりに,クモはその最後の夜を絹の繭をつくってすごすこととなるのだ.この繭が殺し屋たちのすみかとなる.


繭ができあがると,幼虫はクモを殺してしまう.そのあとは,熱帯雨林の地上をうろつく捕食者たちの頭上につるされた繭のなかで安全に暮らすのだ.



つづけて2枚目のスライドで紹介されるのは,ダンゴムシに寄生して,次の宿主である鳥に食べてもらうべく石の下から這い出ていくように操作する寄生虫.さらに「ゾンビーゴキブリ」・「ゾンビーアント」などなど,いやーんな例がつづきます.



 ▲上の画像は,線虫に寄生されちゃった「ゾンビーアント」.鳥にしてみれば「ぼくを食べて!」としか見えない.


 で,最後のスライド:

人間ですら,こうした寄生生物たちの精神支配を免れてはいないのかもしれない.科学者たちによれば,我々の半数がトキソプラズマ原虫に寄生されているという.ひとたび体内にトキソプラズマが入ると,我々は生涯これを保有する.


 感染率は国によって大きく異なっている.韓国ではトキソプラズマに感染しているのは3%にすぎないのに対し,フランスではなんと80%もの人がキャリアとなっている.The Centers for Disease Control によると,フランスのように生焼けの食べ物を好む地域や中米のように野良猫がうろついている地域では感染しやすいのだという.


 この寄生虫の主な宿主はネコなのだが,数千種におよぶ恒温動物にも寄生することができる(我々もそのリストに含まれている).研究者が明らかにしたところでは,トキソプラズマに寄生された人は統合失調症的になりやすくなる可能性があり,微妙ながら人格の変化を起こしうるそうだ.ある研究者によると,感染した男性はより攻撃的で嫉妬深くなり,女性はより外向的となり,しかも最悪の場合には反応時間が遅くなり交通事故を起こすことが多くなるという.


うーむ,ゾンビー怖い.けど面白い.