2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Leech 2004 より:反事実的な d've 形式について

ジェフリー・リーチ『意味と英語動詞』(第3版)より,仮定的意味を表すのに had have の縮約 d've /dəv/ が使われるようになりつつある,というセクションを訳して紹介します: Meaning and the English Verb作者: Geoffrey N. Leech出版社/メーカー: Routl…

事例のメモ:いまも成り立っている状態について過去時制を使うケース

状態述語+過去時制でありながら,「もはやそうではない」という no longer 推意がないケースは,探すとそれなりにみつかります.こういう場合,現在でもその状態は成り立っているのに過去時制を選択することにはなんらかの動機があるわけですが,ひとつには…

「時制=遠近対立」説に対するテイラーの批判

上記のエントリで言及した「時制=遠近対立」説に対して,認知文法の代表的研究者であるジョン・テイラーが次のように批判しています: 前節で,共通する意味成分を用いて指小辞を統一的に説明するヴィアズビカの試みに言及したが,過去時制に関しても中核的…

文献詮索:「過去時制=遠隔形」説をさかのぼる:Steel 1975

英語において,過去時制の形式は過去の出来事を表す以外にも,反事実性や丁寧さを表したりする用法をもっています.そこで,これらは何らかの意味での「遠さ」を表すという説が提唱されています.たとえばラネカーの認知文法では,現在時制と過去時制は prox…

不器用なので

ブログの使い分けはあきらめることにしました.ほひひ. いえ,Linguisticsグループの拙ブログとか,Tumblr とかにメモを書くように使い分けできないかなと思ったのですが,いくつかの理由で使い物にならない――少なくともぼくの場合は使い勝手がよくない――と…