2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

草の根の声+パターナリスティックな規制,etc.

梶ピエール先生の下記エントリは簡潔ながら重要な論点(複数)を指し示しているように思います: 「情報戦」と当事者性、あるいはメディア規制とパターナリズム − 梶ピエールの備忘録。 とくに: たぶん、これからの(恐らくはこれまでもある程度はそうだっ…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-18]〜[7-24]

引き続きSFAA翻訳をお手伝い. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 [7-18] 社会変化 SOCIAL CHANGE 生物種と同じく社会もまた,テクノロジーの発展や政治的伝統といった内的な力によって部…

丸山眞男:人/禽獣

儒学の古典,したがってまた江戸時代の学者の論著においてしばしば出会うのは,人は礼をもつことによって禽獣と区別される,とか蟄居して教えなければ,禽獣と同じになるとかいう発想である. キリスト教の原罪的思想から見れば,こういう命題は,逆にいえば…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-14]〜[7-17]

しばらく遠ざかっていましたが,「すべてのアメリカ人のための科学」(Science For All Americans; SFAA) 勝手に翻訳プロジェクトを少しお手伝いします. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い…

「must p は p よりも弱い」わけじゃないらしい

★ハンドアウト:Kai von Fintel & Anthony S. Gillies, "Must . . . Stay . . . Strong!" (PDF) ★スライド (PDF) ハンドアウトの結論部分: 「認識的な must は弱さの標識だ」というマントラは,「認識的 must は間接的推論を合図する証拠性標識だ」というも…

「イマジネーションはだいじだよね」という話

今日のべびプリ公式日記は三国志マニアの星花.お兄ちゃんと三国志ごっこをご所望ですが,人形は蜀の4人しかもってなくて: 孫権軍とか曹操軍は―― クマのロンちゃんとかウサギのウーちゃんとか、 ほかのお人形でやるしかないんだけど―― ああ,それはつまり──

よっわかむら屋っ!!

わかむらPのiM@S×Perfumeがいつにもまして素晴らしいです.もうだいすきだー 「アイドルマスター Perfume ポリリズム PV風」(ニコニコ動画) ▼環境によってはニコニコ動画を埋め込むとページが読み込めなくなるらしいので【続きを読む】をはさみます:

エルヴィス・プレスリーの反実仮想条件文 (Elvis counterfactual)

ちょっと昔の semantics etc. から: If Elvis were still alive, he would be dead by now. 〔もしエルヴィスがまだ生きてたら,もう死んでるだろう〕 Anthony Gillies による同様の例:発話の文脈:George が自分の大叔母の死因について両親に尋ねている.…

森有正の理由文

ときどき,下記の一節を思い出しては,じぶんがどれくらいの解釈をできるようになっているだろうかと考えることがあります: 今日は,「ある人は親切だから,あるいは親切な性質をもっているから,これこれの事をした」というのと,「ある人がこれこれの事を…

「発生論の誤謬」(genetic fallacy)

前記の「外在的実在論は正当化されているか」に関連しているのですが: 私が知的に未熟だったころ,発生論の誤謬のもっとも一般的なかたちは,フロイト主義とマルクス主義に見られた.「お前はマルクス主義の正しさを疑うのか? そんなことをしても,お前が…

ジミー・ウェールズ on 「中立性」

Everything is Miscellaneous より,Wikipediaの創始者であるジミー・ウェールズの発言: 「中立性」は厄介な用語だ.1950年代の実存主義も,60年代のニュージャーナリズムも,それに現代のポストモダニズムも,そろってこう言ってきた.ぼくら人間はたんに…

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-26]

SFAA翻訳のお手伝い.[13-23]まで進めておられるpotasiumchさんが残りの[13-24]と[13-25]もきっと訳されると思うので,ぼくはこのパラグラフで13章の訳は切り上げます. ■SFAA[13-26] 審美的な反応を奨励する 多くの人は,科学は冷たくて退屈だとみている. …

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-32]〜[13-33]

★[13-33] に出てくる"take wrong turns" の意味がよくわかりません(ひとまず「試行錯誤を重ねる」と訳しています).どなたかご存じの方はご教示くださいませ. [13-32] 科学指導は学校外にまで手を伸ばすべきである 子供たちは教師からだけでなく親・兄弟…

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-27]〜[13-31]

少し間があきましたが,「SFAA勝手に翻訳プロジェクト」をお手伝い. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 【追記】いままで "student" を「学生」と訳したり「児童・生徒」と訳したりして…

ああ……

菊池さんに対しては、複雑な気持ちがありますね。私が『パラサイト・イヴ』でデビューしたころ、菊池さんは仲間たちとウェブ掲示板の書き込みをしていて、そこで私を嘲笑していました。あの掲示板はミトコンドリアを擬人化している、という批判の代表格だっ…

サール『心・言語・社会』の構成

第1章だけ訳すつもりですが,構成の見取り図として目次も掲載しておきます(それぞれのリンクは当ブログの翻訳エントリに対応しています): ▼John R. Searle (1998) Mind, Language and Society: Philosophy in the Real World. Basic Books. 1. Basic Meta…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-29]〜[1-34]

■SFAA[1-29] 科学は自足した研究分野に組織されており,さまざまな組織により行われている 組織として見ると,科学はさまざまな領域・研究分野が集まって成立しているものとみなせる.人類学から動物学まで,科学には何十もの研究分野がある.分野どうしは互…

今日も「SFAA勝手に翻訳」をお手伝い

翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 昨日から続けて,第1章のパラグラフ [1-29] から訳していきます.[1-35] からおしまいまではtetblueさんがやっておられるので,[1-34] までをやるつも…

Always look on the bright side of life

そんなパイソンが“世界を変えた”象徴的な出来事のひとつは,1982年5月4日.英国とアルゼンチンが,フォークランド諸島の領有を巡って,ハイテク・フル装備の近代的な軍隊を激突させたフォークランド紛争でのこと.その日,アルゼンチン海軍により,フランス…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-23]〜[1-28]

■SFAA[1-23] 科学という企て 企てとしての科学には,個人・社会・制度の次元がある.科学の活動は現代世界の主要な特性のひとつであり,おそらく他のどの特性にもまして以前の世紀から我々の時代を区別するものだろう. ■SFAA[1-24] 科学は複合的な社会的活…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-17]〜[1-22]

■SFAA[1-17] 科学は説明し予測する 科学者たちは現象の説明を構築してその観察から意味を引き出す.この説明は,現時点で受け入れられている科学的原理を使っていたり,それによって成り立っている.こうした説明──理論──は,広く包括的な場合も限定的な場合…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-14]〜[1-16]

■SFAA[1-14] 科学は論理と想像力の融合である 仮説や理論を考え出すときにはあらゆる種類の想像や思考が駆使されるのだが,遅かれ早かれ科学的な論証は論理的推論に合致しなければならない──すなわち,推論・証明・常識の規準を適用することで論証の妥当性の…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-12]〜[1-13]

■SFAA[1-12] 科学は証拠をもとめる 科学的な主張の妥当性は遅かれ早かれ現象の観察を参照することで決着がつく.よって,科学者は正確なデータを得ることに傾注する.そうした証拠をもたらす観察や計測がなされる状況は,自然な環境(たとえば森林)から完全…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-10]〜[1-11]

■SFAA[1-10] 科学的探求 科学的な学問分野にはさまざまなものがあるが,根本の部分において共通している.それは,証拠にもとづくこと,仮説と理論の使用,各種の論理の使用などだ.とはいえ,科学者ひとりひとりは互いに大きく異なっている.たとえば探求し…

ひきつづき

今日も SFAA勝手に翻訳プロジェクトをちょっとだけお手伝いしております.昨日 第14章はひとまず訳し終えたので,第1章のパラグラフ [1-10] から [1-22] までを次の目標にちびちびやります. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻…

休憩中

個人的にはたいへん癒される曲です: 愛川欽也「死ね死ねブルース」 http://www.nicovideo.jp/watch/sm2197599 いちおう下記のCDに収録されていたようですが,いまは品切れみたい: BEST OF 恐怖 トラウマアーティスト: オムニバス出版社/メーカー: ソニー・…

クルーグマンのコラム

2006年12月に書かれたコラム5本の訳をはてなに再掲載しました: クルーグマン「不景気予報」 クルーグマン「あともう2年」 クルーグマン「言わんこっちゃない」 クルーグマン「外部委託野郎」 クルーグマン「貧しい人を助ける方法:イギリスの場合」

Chapter 14: REFORMING EDUCATION:[14-21]〜[14-25]

SFAA第14章の訳はこれでひとまず終わりました.見直しはまた時間をおいてからやります.なにか気づいた点がありましたら,どなたでもお気軽にコメント欄に書き込んでください.誤訳・誤字の指摘はいつでも大感謝・大歓迎です. ■SFAA[14-21] 改革のための条…

Chapter 14: REFORMING EDUCATION:[14-13]〜[14-20]

【2008-03-13】誤字・表現を改めました. ■SFAA[14-13] 教師が中心 たしかに教育を改革する創造的な構想はさまざまなところからもたらされている.しかし,教室での直接の経験から得られる洞察を提示できるのは教師のみである.学生の知識や技能,そして学校…

リオで生まれた男,光学マウスでおなじみのoptical_frogでございます

全自動百科事典『オートペディア』がそう教えてくれました.*1 1974年にリオデジャネイロで生まれた。 1984年にエリマキトカゲが大流行したので捕獲に行き、行方不明になりかける。 1987年にNTT株が上場。財テクに走る。 1989年に手塚治虫の死に立ち会う。 1…