論文メモ:「流動性の罠における最適な政策ミックスを中央銀行の独立は阻害するか?」


もちろん専門外にもほどがあるのですが,いちおう(クルーグマンのブログ経由):

Paul McCulley and Zoltan Pozsar,
"Does Central Bank Independence Frustrate the Optimal Fiscal-Monetary Policy Mix in a Liquidity Trap?" (pdf)
Paper to be presented at the Inaugural Meeting of the Global Interdependence Center’s Society of Fellows on March 26, 2012 at the Banque de France, Paris.
(March 26, 2012)


アブストラクトは,全文が理事時代のバーナンキ発言の引用になっています:

中央銀行が果たす役割は,インフレ環境とデフレ環境では異なります.インフレ局面は,往々にして超過の[政府借り入れと]政府債務の貨幣化をともなうことが多く,この局面では中央銀行の独立性という美質は,政府に「ノー」と言える能力にあります.しかし,[流動性の罠のもとでは]超過の[政府借り入れと]貨幣創造が問題となる見込みは薄く,中央行によるヨリ協調的な態度が必要とされる場合があります.[流動性の罠にある]目下の状況では,[金融と]財政のそれぞれの当局がいっそうの協調をはかったとしても,(…)中央銀行の独立性と不整合をきたすことはありません.これは,2つの独立国が共通目標のために協調しても[あるいは,その点では,戦時財政のために複数の中央銀行と財政担当省庁が協調しても]国家主権の原則と不整合を来さないのと同じことです.(バーナンキ理事)