多重継承階層(Syntactic Theoryより抄訳)


I. A. Sag, T. Wasow & E. M. Bender, Syntactic Theory (2nd edition) より,「多重継承階層」(multiple inheritance hierarchy) のセクションを抄訳しました:

多重継承階層」(Scribd)


Syntactic Theory: A Formal Introduction (Csli Lecture Notes, No. 152)

Syntactic Theory: A Formal Introduction (Csli Lecture Notes, No. 152)


いえ,ここだけ読んでもしかたないといえばそうなのですが.


若干の補足

  • 語彙素 (lexeme) : take, took, taken は同じ1つの語彙素.
  • 単語 : take, took, taken は3つの単語;同じ語彙素の3つの異なる形式.
  • synsem : 統語情報と意味情報の複合.

第16章の構成


このセクションを含む第16章は「記号基盤構文文法」(sign-based construction grammar) と題されており,形式と意味のペアリングとしての構文(構成体)の文法を定式化しています.ここでいう「記号」はラネカー認知文法の Symbolic Thesis でいう「記号」と類比できる(はず)と思います.もっとも,ラネカーの方では HPSG を参照していないようですが….認知言語学で「構文」を強調するときには,このあたりがネグレクトされてるような気がします.どなたか,ぼくにもわかるくらい平易に解説していただけるとうれしいなー,なんて思いますです.

  • 16.1 Taking Stock
  • 16.2 Multiple Inheritance Hierarchies
  • 16.3 Words and Phrases as Signs
  • 16.4 Constructions
  • 16.5 Phrasal Constructions of Our Grammar
  • 16.6 Locality
  • 16.7 Summary

れんしゅう


次の項目をうまく特定できる多重継承階層をかんがえてみてください:

  • あずさ(アイマス,おっきい)
  • 千早(アイマス,ちっさい)
  • 蛍(べびぷり,おっきい)
  • 氷柱(べびぷり,ちっさい)


(※4つの項目=インスタンスを分類する下位タイプが4つできます.)