「の」がないとおさまりが悪いのだ


 killhiguchiさんからいただいたコメントに関係して,「のだ」が多用されている文章をひとつ引いてみます:

噺家にしても,ただ名前だけじゃダメなで,その名前を保つためには,人知れぬ努力がいるです.ある意味においては位置が上がれば上がるほど,余計な努力もしなけりゃならないです.つらい商売なですが,人がつらいと思っても,あたしゃ好きで入っただから,さほどつらいと思ったことはなかったですね.まア,この社会の中じゃ,あたしなんぞ,自分から言っちゃおこがましいけれども,たちがよかったでしょうね.だから,どうやらこうやらここまで来られたですよ.
古今亭志ん生『なめくじ艦隊』ちくま文庫,1991年,p.49;太字強調は引用者によるもの)


ここから「ん」をすべてのぞいてみると,こんな感じになります:

噺家にしても,ただ名前だけじゃダメで,その名前を保つためには,人知れぬ努力がいります.ある意味においては位置が上がれば上がるほど,余計な努力もしなけりゃなりません.つらい商売ですが,人がつらいと思っても,あたしゃ好きで入ったから,さほどつらいと思ったことはなかったですね.まア,この社会の中じゃ,あたしなんぞ,自分から言っちゃおこがましいけれども,たちがよかったでしょうね.だから,どうやらこうやらここまで来られましたよ.


とりあえずサンプルとして.