『誤訳―ほんやく文化論』

W.A. グロータース (Willem A. Grootaers). 『誤訳―ほんやく文化論』(柴田武訳,五月書房,2000年)

これは翻訳(術)の本というより,言語学の本です.この本にはフレーム意味論という用語は出て来ません (し,そもそも著者はフレーム意味論のこと自体,知らなかったと思います) が,この本に書かれていることは要するに「コトバの意味の理解にはフレーム意味論が不可欠だ」ということ,更に言うなら,非構成的意味をもつ慣用句や成句の表現がいかにコトバの理解で重要かということです.翻訳はそれが露骨に現われる現場であるということです.

(「黒田航の推薦」より抜粋)


面白そうです.