Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-44] & [7-45]


今日もたった2パラグラフですが,SFAA翻訳をお手伝い:

[7-44]
家族集団や小さな社会では,法をきめるのは親や年長者といった承認された権威だ.しかし,ほぼ全ての集団──大学の学部から地域のスカウト団まで──は規則を決めたり争議を仲裁する手順を定めている.さらに大規模なところでは,政府は法律をつくりこれを執行することで軋轢に対処する仕組みを提供している.民主主義において,政治体制は選挙を手段にして社会的軋轢に対処する.議員の立候補者たちはみずからの意図する法律の制定・修正案を喧伝し,人々は最良の意図とそれを実現する最良の機会とじぶんがみこんだ人物に投票する.しかし,複雑な社会的トレードオフをする必要があるため,おうおうにして政治家たちが議会においてみずからの意図をすべて実現することはできなくなっている.

[7-45]
好きに往来する自由,武器所持の自由,デモを組織する自由など,こうした自由の願望は,公共の安寧の願望と衝突してしまう場合もある.断固たる敏腕な意志決定──極端な場合は独裁となる──を求めることは市民参加──極端な場合は誰もが何もかもについて投票する民主政治となる──を求めることと衝突することがある.法や政策を創出する場合,たいていは様々な利害集団どうしの熟慮をかさねた交渉の末に妥協がなされるものだ.自分たちが重要とみなしていることに特別の関心をもつ小集団は,その単一の問題をもとにメンバーたちの票をかため,これによってもっとまとまりの緩い多数派に譲歩を要求することができるようになる場合もある.


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