Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-42] & [7-43]


今日はたった2パラグラフですが,SFAA翻訳をお手伝い:

[7-42]

社会的軋轢 SOCIAL CONFLICT

すべての人間社会には軋轢があり,またすべての社会にはそれを規制するシステムがある.個人間や集団間の軋轢は,しばしば資源・権力・地位をめぐる競争から生じる.家族どうしは配慮をもとめて争う.個人どうしは仕事や富をもとめて争う.国どうしは領土と国威をもとめて争う.利害関心の異なる集団どうしは規則をつくる影響力と権力をもとめて争う.資源ではなく考えをめぐって競争がなされることもしばしばある──個人や集団が,別の集団が抑圧したり罰したり違法と定めた考えや行動を求めるのだ.

[7-43]
社会変化はときに軋轢を生じさせるほどの力をもつ場合もある.提案された社会的・経済的・政治的な変化がその社会システムのあらゆる部門を等しく利することはもしあるとしても稀であり,よってみずからがそれによって敗者になりかねないと考える集団はこれに抵抗する.どんな変化であれ,それに賛同する側と反対する側の双方が,それが起こった場合と起こらなかった場合それぞれの結果をすべて説得力をもって予測することができないとき,相互の敵意と不信は悪化してゆく.軋轢がとくに深刻化するのは,可能な妥協点が皆無で選択肢がわずかしかないときだ──たとえば,降伏か戦争か,案Aか案Bか,というような場合がそれである.たとえ争点が入り組んでいて当初は人々の見方がそれほどにかけ離れていなくとも,あれかこれかを決める必要があるために,いずれの選択肢が望ましいのかに関するみずからの判断を支持しようと人々が極端な立場になだれを打つこともある.


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