翻訳

アセモグル「2008年危機」

結局 訳してしまいました. Daron Acemoglu, "The Crisis of 2008" 公式wiki:LINK Scribd: PDF ただ,セクションの見出しだけ英語のまま残ってます.

「人的資本政策と所得分配」翻訳:part 4 の最初だけ

著者の公認がなければ中止と決まっている翻訳プロジェクトですが,とりあえず: 本レポートの前パートでは,賃金分配について考えるために競争的な労働市場にもとづく標準的なフレームワークの概要を示した.現実の労働市場には,多くの非競争的な要素が多く…

「人的資本政策と所得分配」翻訳:4.1 シグナルと選別としての教育

update: 2008-12-29 「人的資本政策と所得分配」セクション4.1 の翻訳です.ひととおり日本語にしてみただけで,意味不明の箇所を多々残しています.長くなるので【つづきを読む】をはさみます:

D. アセモグル & J. ロビンソン「民主主義の経済的起源について」

2009-01-12追記:PDFを Scribd にアップロードしました:民主主義の経済的起源について コメント欄で稲葉先生 (id:shinichiroinaba) にすすめていただいたノートを訳してみました. Daron Aceoglu*1 & James Robinson, "On the economic origins of democrac…

スティーブン・ピンカー「罵りと暴力のはなし」

Seed Magazine から,スティーブン・ピンカーの短文を訳して紹介します: "Steven Pinker on Swear and Violence," Seed, September 2, 2008 罵りと暴力のはなし 《アイディアは意外なかたちでつながっている.ある分野の発見はいつも思いがけず別の分野に洞…

医療関連のあやしい組織の特徴

黒影さんのはてなブックマーク経由で知った "Questionable Organizations: An Overview" を訳して紹介します.医療関連には日本でもあやしげな団体がありますが,この文章ではそうした団体を判別する手がかりを9項目あげて解説しています. 文中のあやしい団…

意味のレベル:「文の意味」・「言明の意味」・「発話の意味」

意味論・語用論の教科書(著者によれば学部3−4年から大学院レベルとのこと)から,意味のレベルに関する箇所を抜粋して訳しました: Meaning in Language: An Introduction to Semantics and Pragmatics (Oxford Textbooks in Linguistics)作者: Alan Cruse,…

対偶はわかりにくいですよね (another left-over-junk)

ナシーム・タレブ『黒い白鳥』から抜粋. 次の点は,確証のアホくささをさらに例証してくれる.もし白い白鳥をもう一羽見るたびに「黒い白鳥なんていない」という確証が得られると思っているなら,純粋に論理的な理由により,次の言明も受け入れなくちゃいけ…

「環境にやさしく」の結果は

ヤバい経済学ブログから,Daniel Hamermesh のエントリを訳しました: 「環境にやさしく」の結果は (The Consequences of Being Green) By Daniel Hamermesh 俳優の Ed Begley Jr. は広く読まれている論説文を書いていて,じぶんがやってる環境にやさしい活…

スティーヴン・レヴィット,Nudge をほめる

スティーヴン・レヴィットが『ヤバい経済学』ブログの4月11日付けエントリで,Cass Sunstein & Richard Thaler の新刊 Nudge をとりあげて賞賛していました(「レヴィット? 誰それ?」という方には山形浩生さんのこの書評が役に立つかと). 以下,拙訳です…

Chapter 10: HISTORICAL PERSPECTIVES:[10-51]〜[10-53]

続きです. [10-51] 病原菌理論ともっとも結びつきの強い人名と言えば,フランスの化学者ルイ・パストゥールだ.微生物と病気との関連はたちどころに見てとれるわけではない──特に,(いま我々が知るように)大半の微生物は病気を引き起こさず,また我々にと…

Chapter 10: HISTORICAL PERSPECTIVES:[10-49]〜[10-50]

SFAA翻訳のお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 黒影さんによる進捗状況のまとめによると,全665パラグラフのうち637が完了したようです(「SFAAの翻訳進捗が95%に達しました…

Chapter 11: COMMON THEMES:[11-27]〜[11-29]

SFAA翻訳のお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 今日の範囲のうち,とくに [11-27] の訳は我ながらおかしいような気がします.何かお気づきの方は遠慮なくご指摘ください. [11…

Chapter 11: COMMON THEMES:[11-24]〜[11-26]

SFAA翻訳のつづきです. [11-24] 分子の観点から言うと,あらゆる均衡状態のかげでは分子が絶え間なく活動している.たとえば,ソーダ水をいれたボトルに栓をしておくと,溶液から空気中にでてくる二酸化炭素と水分子の濃度が上昇していき,やがて二酸化炭素…

Chapter 11: COMMON THEMES:[11-21]〜[11-23]

SFAA翻訳をちょっとだけお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 下記の範囲はid:new-wave1989さんがおやりになるとコメントしておられたのですが,「今非常に訳しづらいところに差…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-51] 〜 [7-56]

続けて,SFAA第7章のGLOBAL INTERDEPENDENCE([7-51]〜[7-56])を訳しました: [7-51] グローバルな相互依存 GLOBAL INTERDEPENDENCE 国際経済システムと共通の環境問題(核兵器のグローバルな影響や森林破壊,酸性雨など)をとおして,諸国と諸文化はますま…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-46] 〜 [7-50]

SFAA翻訳をお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 [7-46] 社会の多数派がある社会的意志決定に合意したときにも,それに賛同しない少数派に保護が与えられることもある.たとえば…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-44] & [7-45]

今日もたった2パラグラフですが,SFAA翻訳をお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 [7-44] 家族集団や小さな社会では,法をきめるのは親や年長者といった承認された権威だ.しか…

“No head injury is too trivial to ignore”

Kai von Fintel の Semantics etc. から,先日紹介した "Negated, or not" の関連エントリです: No head injury is too trivial to ignore Language Log で,Chris Potts が一見余分な否定辞について記事を書いてる.あってもなくても文の意味が変わらない…

都市の人の流れをリアルタイムで地図にする

英『エコノミスト』誌の記事から: 「流れをおって」(Go with the flow) (The Economist, March 10, 2007, pp.16-7) ■ 追記2009-06-06/ここに翻訳をのせていたのですが,消しました.Scribd においていた PDF は権利者に削除されました./追記おわり (※文…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-42] & [7-43]

今日はたった2パラグラフですが,SFAA翻訳をお手伝い: 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All Americans勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 [7-42] 社会的軋轢 SOCIAL CONFLICT すべての人間社会には軋轢があり,またすべての社会にはそ…

"Negated, or not" - Christopher Potts @ Language Log

ちょっと昔の Language Log から,クリストファー・ポッツの投稿: 「否定されてんだかどうだか」(NEGATED OR NOT) ちょっとビックリだけど,英語の構文には否定の要素を付け足したり取り除いたりしても意味が変わらないものがある.ポール・ポスタル (Paul …

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-18]〜[7-24]

引き続きSFAA翻訳をお手伝い. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 [7-18] 社会変化 SOCIAL CHANGE 生物種と同じく社会もまた,テクノロジーの発展や政治的伝統といった内的な力によって部…

Chapter 7: HUMAN SOCIETY:[7-14]〜[7-17]

しばらく遠ざかっていましたが,「すべてのアメリカ人のための科学」(Science For All Americans; SFAA) 勝手に翻訳プロジェクトを少しお手伝いします. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い…

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-26]

SFAA翻訳のお手伝い.[13-23]まで進めておられるpotasiumchさんが残りの[13-24]と[13-25]もきっと訳されると思うので,ぼくはこのパラグラフで13章の訳は切り上げます. ■SFAA[13-26] 審美的な反応を奨励する 多くの人は,科学は冷たくて退屈だとみている. …

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-32]〜[13-33]

★[13-33] に出てくる"take wrong turns" の意味がよくわかりません(ひとまず「試行錯誤を重ねる」と訳しています).どなたかご存じの方はご教示くださいませ. [13-32] 科学指導は学校外にまで手を伸ばすべきである 子供たちは教師からだけでなく親・兄弟…

Chapter 13: EFFECTIVE LEARNING AND TEACHING:[13-27]〜[13-31]

少し間があきましたが,「SFAA勝手に翻訳プロジェクト」をお手伝い. 翻訳プロジェクト本家ブログ 「Science For All American勝手に翻訳プロジェクト、協力者募集のお願い」 【追記】いままで "student" を「学生」と訳したり「児童・生徒」と訳したりして…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-29]〜[1-34]

■SFAA[1-29] 科学は自足した研究分野に組織されており,さまざまな組織により行われている 組織として見ると,科学はさまざまな領域・研究分野が集まって成立しているものとみなせる.人類学から動物学まで,科学には何十もの研究分野がある.分野どうしは互…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-23]〜[1-28]

■SFAA[1-23] 科学という企て 企てとしての科学には,個人・社会・制度の次元がある.科学の活動は現代世界の主要な特性のひとつであり,おそらく他のどの特性にもまして以前の世紀から我々の時代を区別するものだろう. ■SFAA[1-24] 科学は複合的な社会的活…

Chapter 1: THE NATURE OF SCIENCE:[1-17]〜[1-22]

■SFAA[1-17] 科学は説明し予測する 科学者たちは現象の説明を構築してその観察から意味を引き出す.この説明は,現時点で受け入れられている科学的原理を使っていたり,それによって成り立っている.こうした説明──理論──は,広く包括的な場合も限定的な場合…